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3年目の決意
7月1日でルミナス大府の施設長となり、3年目になりました。自分で言うのも変な話ですが、あっという間のように過ぎたように感じます。医療の世界から、介護の世界へ移り、高齢者医療・看護・介護の具現化を旗印に進んできました。「地域を支える介護」の実現といいながら、現実の世界とのギャップはまだまだ大きいと言わざるをえません。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」、独居高齢者が多く存在し、しかも認知症高齢者も潜在的に多いという現実、これらの高齢者がなんらかの疾患で入院をし、治療後退院といっても、独居の高齢者であったり、入院を機会に認知症が悪化し、在宅介護が困難となる事例が非常に多いというこの現実。小さな介護老人保健施設だけでは、対応が困難な状況であると言わざるをえません。市町村レベルでは、現状をわかっていても財源が乏しいため、新しい施設の整備に対しては及び腰です。できていくのは、民間の有料老人ホームだけ、このような有料老人ホームに入所できるのはある一定の厚生年金、もしくは共済年金の受給者か、資産を有しているものだけである。地域の大多数の高齢者では、入所費用が払えないので、施設入所での介護という選択枝が選べない。入所費用の安い特別養護老人ホームは、入所待ちが多くてとても待てる状態でないこと。いくらつぶやいてもこれらに大きな変わりはありません。3年目にあたり、これからも「地域を支える介護、つまり介護を必要とする方、介護をする方どちらも生まれ育った地域で満足できる生活が送れるように援助すること」という旗のもと、地域の介護に対して、通所リハビリ、訪問看護、訪問リハ、短期入所などの在宅サービスで支えていきたい。またヘルパー事業も立ち上げていきたいと考えています。
ルミナス大府のもうひとつの使命には、特に認知症の介護にはもっと積極的に取り組む必要があることです。これに関しては、まだ研究レベルですが、全国に広がっていない若年性認知症のデイケアを、ルミナス大府では1年間を継続でき、利用者だけでなく、家族の方にも非常に満足をいただいています。その他、新しい介護アプローチの開発もしくは有効性の検討といった研究では、喜怒哀楽などの顔の表情で認知症の方に刺激を与える非言語的コミュニケーションシグナルリハビリテーション、いきいきリハビリ、賭け事で刺激するギャンブル療法など着実に成果を上げつつある研究が施設内で行われています。今後の展開が楽しみであるといえます。
新年のあいさつ
本年もあけましておめでとうございます。
ルミナス大府の施設長となり、2回目の新年を迎えました。昨年度は、ルミナス大府にとって、開設10周年という一区切りの年でありましたし、私にとっては、介護の世界に飛び込んで、「地域を支える介護」を実現できないかともがいた1年でもありました。
2回目の新年を迎えるにあたり、年頭のあいさつとして、本年度のルミナス大府の目標を述べたいと思います。大きな目標としては、「地域を支える介護」をより具体的に実現する介護老人保健施設を目指すことです。「地域を支える介護」とは、介護を必要とする方、介護をする方どちらも生まれ育った地域で満足できる生活が送れるように援助することを意味します。従来の介護老人保健施設の使命であった病院から在宅へ直接戻れない方に、リハビリテーションおよび生活機能の向上を促して在宅へもどすという役割だけでなく、介護を必要とする方、介護をする方それぞれの生活を支える役割を受け持つ施設を目指すことです。これを実行するには、今以上の機能を介護老人保健施設や併設の事業所がもたなければいけないと考えます。
これから高齢者は、もっと増えるであろうし、高齢者のひとり暮らしも増えていくし、認知症の方も増えていくし、高齢者が高齢者を介護することが日常的になっていくと考えられます。その中でこれからの介護は、在宅介護であれ、施設介護であれ、型にはまた介護では対応できない自体が予想されます。介護には、もっと個別性のある対応ができるようにしなければいけないし、特に認知症の方の介護には個別性とともに新しい対応策も考えていく必要があります。経費的な問題を抜いてもリハビリテーション機能をもっと充実させる必要がありますし、新しいサービスの提供も考える必要があると考えます。
特に認知症の介護にはもっと積極的に取り組む必要があります。認知症の介護を支えるには、家族だけの介護では常に感情の衝突が起こり、介護する方もされる方も、不満ある介護となります。認知症の方は、記憶力は低下したが感情面はまだ豊かなことが多く、ある意味では新しい人格をもつようになった方と考えられますが、家族は、認知症の方に対して以前より能力が落ちたことばかりに目がいきやすく、認知症の方の新しい人格を認められない、そればかりか否定することを行ってしまいがちです。そこにおいては、第3者である我々のような介護専門職が介在して、認知症を発症してからの新しい人格を認めることが大切で、人格を認められた認知症の方の感情は安定します。まだ広がっていない若年性認知症のデイサービスにも力をいれていきたいし、新しい介護アプローチの開発もしくは有効性の検討といった研究にも力を注いでいきたいと考えます。どれも一筋縄ではいかないことばかりですが、前向きに取り組んで少しでも実現して行きたいと考えます。
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介護老人保健施設ルミナス大府の施設長となり1年が経過しました。この一年で取り組んだこととして、第一に研究ベースで若年性認知症のデイサービスを開始しました。男女あわせて8名ではありますが、有効なプログラムを求めて試行錯誤しています。現時点でわかってきたのは、男性と女性でプログラムを変えた方がよいこと。男性には、役割を担わせる、障子の貼り替え、車イス整備などの仕事の受け入れがよく、女性には、フラワーアレンジメント、陶芸などの作業が大変好まれています。今後長期的な効果も追跡したいと考えています。
第二に取り組んだのは、デイサービスのプログラムにギャンブル療法を取り入れました。麻雀、パチンコ、スロット、カードゲーム、ルーレットなどを行い、施設内だけで通用する貨幣を賭けて遊んでいます。勝ったり、負けたりと一喜一憂されていますが、皆さんの表情がいきいきとしてきました。これをできれば、施設全体に広げることが、次のステップです。
第三の取り組みとしては「看取り」の体制を整えたことです。看取り委員会、看取りのマニュアルの作成と体制もとり、特別養護老人ホームへの入所待ちに間に合わず、「看取り」も行わざるを得ない例もみられます。老人保健施設の必要とされる機能のひとつとして行っていきたいと考えています。
一年間をふりかえって、まだまだ理想的な介護老人保健施設にはなっていませんが、活動的な老人保健施設になったのではないかと自画自賛しています。
長屋政博(常務理事、施設長)